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第2回 消費生活センターの相談

先日、某消費生活センターから問い合わせというか相談がありました。
問題は、輻射冷暖房パネルによるカビや汚損です。

最初は消費生活センターの相談ということで何事かと思いましたが、輻射パネルの問題なので協会を頼りにしてくれたようです。HPを見て電話されたのだと思います。協会の役割として、このような外部からの問い合わせや相談に応じるのも大切なことなのだと気づかされた出来事でした。公益目的の社団法人にした甲斐があったというものです。そのためにも日頃から公平公正な立場で取り組み、知見の集積に努めたいと思います。

 

今回の件、相談員の方も専門家ではないので、状況把握等にやや不確かな部分があるのですが、パネルの周辺でカビが発生し、汚れが出ているようです。施工者は、パネルを撤去し改修してエアコンを新たに取り付けることを申し出ているようですが、「なぜそんなことが起こるのか」「本当にパネルが原因なのか」といったことを知りたかったようです。

会員が関係していての相談なのかと懸念しましたが、そうではありませんでした。(会員の皆様の技術力を一瞬たりとも疑ったことを申し訳なく反省しています)

 

現場を見ていないので確かではありませんが、おそらくドレン水の処理に問題があったのだと思います。ドレン周りの施工不良、あるいはドレン配水管のつまりなどが原因と考えられます。配水管が詰まって結露水の受け皿からあふれるようなことがあれば、すぐに気が付くでしょう。どうやらそうではなく、壁の中に施工した配水管の途中から漏れたり、配水管のつなぎ目が外れたりして水分が長時間蓄積したのではないかと推測されます。これは施工上の問題ですね。一方、使用者の維持管理が問題になることはないでしょうか。配水管の末端が、何らかの要因でふさがれてしまい流れなくなって溢れるといったことぐらいしか思いつきません。

 

事故が起こると、施工者、設置者の責任が問われ、弱い立場になることが多いと思いますが、使用者、利用者の不注意に起因することもあると思います。そうならないように、機器・製品の特徴や正しい使用法、利用法をしっかりと伝えておくべきです。
いずれにしても、適切に施工するとともにお客様への正しい使用法等の説明が不可欠です。

 

この問い合わせを通して、事故等の事例を集めておくことも重要だと感じます。何が原因でどのように対処されたのか、その経験を蓄積しデータベース化することで、今回のような外部からの問い合わせ等に対処しやすくなります。皆様の現場で、何か問題が起こった時にも参考になるでしょう。賛同いただけるようであれば、情報収集を始めたいと思いますがいかがでしょうか?

 

一般社団法人輻射冷暖房普及促進協会
会長 坊垣 和明